今回は、前回の記事でインストールしたVirtualBoxを使って、Linuxの仮想環境を作成する手順を紹介します。
まずはISOイメージファイルをダウンロードします。LinuxのOSには様々な種類がありますが、ここではAlmaLinuxを用いて進めます。現在の最新版である8.9のISOイメージファイルをダウンロードします。
リンク:https://ftp.riken.jp/Linux/almalinux/8.9/isos/x86_64/
ダウンロードしたら、VirtualBoxを起動しましょう。起動すると、下図のような画面が表示されます。「新規」を選択してください。
すると、このような画面が表示されます。ファイルサイズは、仮想環境で使用可能となる容量になります。あまりに小さいとプログラムをインストールできなかったり、計算結果を保存できなくなるので注意してください。お使いのPCの空き容量との相談になりますが、このブログで紹介するシミュレーションを行うなら、だいたい50GBくらいを確保してもらえれば十分かと思います。ファイルサイズを任意の値に調整したら、「作成」を押してください。
次に下図のような画面が表示されます。ここで設定するのは、「名前」「タイプ」「バージョン」「メモリーサイズ」です。「名前」は任意の名前で問題ないです、ここではAlmaLinux8.9とします。「タイプ」はLinux、「バージョン」はRed Hat (64-bit)にしてください。次はメモリーサイズですが、十分なサイズを確保しないと仮想環境の動作が遅くなったりします。タスクマネージャーからPCのメモリにどのくらいの余裕があるか確認して設定してください。このブログで紹介するシミュレーションを行うなら、だいたい4000MBくらいを確保してもらえれば十分かと思います。設定したら「作成」を押してください。
「作成」を押すと、最初の画面に戻ります。次に「設定」を押してください。
「ストレージ」を選択すると、下図のような画面になります。空と表示されている部分を選択し、光学ドライブの右にあるディスクのアイコンをクリックし、「仮想光学ディスクの選択/作成…」を選択します。
下図のような画面が表示されるので、「追加」から先ほどダウンロードしたISOイメージファイルを選択します。ISOイメージファイルが画面のように表示されたら、「選択」をクリックします。
設定画面に戻ったら、「システム」に移動してプロセッサー数の設定します。プロセッサー数をある程度確保しておけば、シミュレーションを行う際に並列計算を行うことで計算時間を短縮できます。設定するプロセッサー数はお使いのPCによって調整が必要なので、タスクマネージャーから確認してください。PCのコア数より多少小さい値にしておけば問題ないです。設定したら、「OK」をクリックして設定画面を閉じましょう。
最初の画面に戻ったら、「起動」をクリックします。別ウインドウが開かれ、少しの起動時間の後下図のような画面が表示されます。この別ウインドウですが、画面内をクリックすれば仮想環境の操作に切り替わります。仮想環境の操作から抜ける際は、右側のCtrlをクリックしてください。「Install AlmaLinux 8.9」を選択します。
少し時間が経つと、言語選択画面が表示されます。日本語を選択して、「続行」をクリックします。
ここから、環境を作るための様々な設定をしていきます。項目が多く、憂鬱な気分になるかもしれませんが、一つ一つ設定方法を記載していくので心配しないでくださいね。まずは、「時刻と日付」をクリックしましょう。
地域名からアジアを選択し、都市は東京にしましょう。設定したら、「完了」をクリックしてください。
次は、「ソフトウェアの選択」に進んでください。ここでは、ベース環境にサーバー(GUI使用)、選択した環境用のその他のソフトウェアに開発ツールを選んでください。選択後、「完了」をクリックしてください。
次は、「インストール先」です。ローカル標準ディスクをクリックしてチェックを入れたら、「完了」をクリックしてください。
次は「rootパスワード」です。大事な箇所なので簡単に説明しますと、rootユーザーとは、そのLinuxの管理者を指しています。Windowsの場合はadministratorがそれに該当します。Linux全体に及ぶような設定を変更したりできるユーザーであり、そのログインパスワードをここで設定します。rootパスワードは絶対に忘れないようにしてください!設定後、「完了」を押してください。
次は「ユーザーの作成」です。こちらもWindowsと同様で、administratorとは別に個人のアカウントを作るといった認識で問題ないです。フルネーム、ユーザーネーム、パスワードを入力し、「このユーザーを管理者にする」と「このアカウントを使用する場合にパスワードを要求する」にチェックを入れて、「完了」をクリックしてください。
次は「ネットワークとホスト名」です。仮想環境からネット環境にアクセスできるようにします。Ethernetの横のタブをクリックしてオンに変更してください。その後、「完了」をクリックしてください。
ここまでの設定が完了すると、インストール概要画面が下のような感じになっているかと思います。問題なければ、「インストールの開始」をクリックしてインストールを進めましょう!
クリック後、インストールが開始します(だいたい10分くらいはかかります)。インストール完了後、「システムの再起動」を選択して再起動してください。
再起動が完了すると、下のようなライセンス情報の画面が表示されます。
「ライセンス契約に同意します」にチェックを入れて、「完了」をクリックしてください。
すると、ログイン画面に移行します。先ほど作成したユーザーのアカウントでログインしましょう。
ログイン後、言語選択の画面が表示されるので、日本語を選択して「次へ」をクリックしてください。
入力は「日本語(かな漢字)」に設定し、「次へ」をクリックしてください。
位置情報サービスはオンのままで大丈夫です、「次へ」をクリックしてください。
これにてインストールは完了です、お疲れ様でした!
仮想環境を閉じる際は、右上の×印をクリックして、「シャットダウンシグナル送信」を選択してください。
次回以降、仮想環境を起動する際は、下の画面の「起動」を選択すれば自動的にログイン画面まで進みます。
長いインストール作業、お疲れ様でした!手順通りに進めていけば問題なくインストールできるはずですが、うまくいかなかったらコメントして頂ければ回答いたします。次回は、仮想環境を使いやすくするための環境構築を紹介していきます。その後、仮想環境の中に計算環境の構築を進めていきます。まだまだ作業が続きますが、丁寧に記事をまとめていきますので是非参考にしてくださいね!
コメント